精神科医を志望する理由とはどのようなものなのでしょうか?ストレス社会と言われる現代においては、精神科医の必要性・重要性がより認識されるようになってきています。
今回は、精神科医の仕事内容や、実際の精神科医が、いくつもある診療科の中から、精神科を選択した理由やそのやりがいなどについてまとめていきます。
精神科医を志望する理由とは?精神科医の仕事とは?
精神科医の仕事内容とはどのようなものなのでしょうか。
精神科医は、うつ病や双極性障害などの気分障害、統合失調症、依存症やパーソナリティ障害などといった心の病で悩んでいる患者さんに対して、薬物療法や精神療法を併用して治療を行います。
具体的には、診察の中で、患者さんの生活の様子や気持ちの状態などを聞いて、投薬内容を決定したり、認知行動療法や対人関係療法、精神分析といった精神療法による介入を行います。
また、患者さんから了解が得られた場合に限りますが、時には、患者さんの家族や学校関係者、職場の関係者などの話を聞き、環境調整をする役割を担うこともあります。
実際に精神科医になった人の志望理由とは?
数ある診療科の中から精神科を志望する背景にはどんな理由があるのでしょうか。
実際に精神科医として活躍している方が、精神科を志望した理由は次のようなものでした。
- 精神医学が、科学だけでなく哲学や文学、さらには文化や宗教などいろいろな要素が複雑に絡み合って成立しているという点に惹かれたから。
- 「生きづらい人、生きるのに困っている人」を手助けできることに代えがたいやりがいを感じたから。
- 患者さんが色々な言葉で表現する症状を症候学で読み解いていく面白さに惹かれたから。
- 精神科で扱う病気は、目に見えるわけでもなく採血してわかるものでもない、解明されていない部分が多くなり、そこに魅力を感じたから。
- 患者さん一人ひとりとじっくりと向き合うことができることにやりがいを感じたから。
- もともと人間の体や心が科学では割り切れるのかと疑問に思っていたこともあり、科学や統計学では解明できない部分の多い精神科に興味を持ったから。
このように、志望理由は人によって様々で、精神医学自体に興味を感じたからという理由もあれば、患者さんとじっくり向き合い、患者さんの悩みを解決する手助けがしたいからという理由もありました。
精神科医を志望する理由とは?精神科医のやりがいとは?
精神科医のやりがいの1つは、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合えることです。
心の病というのは、すぐに改善していく場合ばかりではありません。
症状が改善したり、時には、また悪化してしまったりというのを繰り返しながら、少しずつ変化していくものなのです。
そのため、精神科医には、そうした患者さんの状態に寄り添うことが求められるのです。
さらに、患者さんは一人ひとり症状や抱えている悩みも異なります。
そのため、それぞれの患者さんに合った治療法を試行錯誤しながら見つけていかなければなりません。
そうした試行錯誤の結果、患者さんの症状が改善していくことも、精神科医のやりがいの1つだと思われます。
精神科医を志望する理由とは?精神科医自身もメンタルケアが大切
毎日、患者さんの診療にあたり、悩みを聞いて治療を行うということは、やりがいがある一方でとても大変なことでもあります。
時には、患者さんが感情的になったり、患者さんから非難を受けたりすることもあります。
病気の症状の中で起きていることと理解していても、医師自身の心が疲弊していってしまうこともあります。
さらに、患者さんの悩みや気持ちと向き合う中で、医師自身も、その場で湧き上がっている様々な気持ちと向き合う必要が出てきます。
そのため、精神科医は、自身のメンタルの状態をしっかり把握し、自らメンタルケアをしっかり行うことが大切です。
精神科医を志望する理由とは?どのような人が精神科医に向いている?
精神科医に向いている人とはどのような人なのでしょうか。
まず、診察で患者さんの話をじっくりと聞く必要があることから、相手の話を聞くことが上手であるというのが大事な資質になってきます。
相手の話を聞くというのは、実は、とても難しいことです。
ついつい批判をしてしまったり、すぐにアドバイスをしてしまったりしてしまいます。
しかし、精神科の診察では、患者さんの気持ちを汲み取り、共感する傾聴の姿勢が必要になります。
次に、忍耐強く物事に取り組める人も精神科医に向いています。
心の病は一足飛びに良くなるものではありませんので、時間をかけてじっくりと治療していく必要があります。
途中で一時的に症状が悪化することもあります。
そんな時でも、挫けることなく治療を続けていくことが求められます。
そのため、地道に忍耐強く物事に取り組めることはとても強みになると思います。
精神科医を志望する理由とは?まとめ
精神科医は、科学だけでは割り切れない人の心の機微を扱うことが求められます。
そのため、患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、その気持ちに寄り添い続ける姿勢がとても大切になってきます。
回復までに時間がかかる患者さんも多いですが、長年苦しんできた方が回復された時の喜びは何物にも代えがたいものがあります。
精神科を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。