医者を辞めた人はその後はどうしているのでしょうか。
難関である医学部入学、医師免許の取得をしても、医者を辞めたいと思う人は多いです。
医者を辞めようと考えても、辞めた後にどうすればいいのか。
実際に、医者を辞めた人の動向は気になるもの。
そこで、医者を辞めた人が、辞めた後にどういった仕事や生活をしているかについて紹介します。
医者を辞めた人は?医者を辞めた人はいるのか?
そもそも、医者を辞めた人はどのくらいいるのでしょうか?
2016年の厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、医師免許保持者のうち、医師として働いていない人(無職の者)は1,659人いました。
これは、医師免許保持者の0.5%にあたります。
医師免許保持者の割合からすると、医者を辞めた人は少ないです。
しかし、医者として働きながら医者を辞めたいと考えている人は多いです。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」が会員医師7万人に、「医師を辞めようか考えたことがあるか」というアンケート調査を行ったところ、42.1%の医者が辞めようか考えたことがあると回答しています。
医者を辞めたいと考えても、思ったように辞められない現状があると考えられます。
医者を辞めた人は?医者を辞める理由で多いのは?
医者を辞める理由では、以下の3つの理由が多いです。
- 忙しすぎる労働環境
- 体調を崩しやすい、崩しても休めない
- 家庭との両立が難しい
医者は、どのような職場で働いても仕事が忙しいです。
残業、当直勤務、救急対応など。
仕事の激務から、医者を辞めたいと考える人が多いです。
また、仕事が忙しく体調を崩してしまっても代わりの医者がおらず仕事を休むことができないということも。
いずれにしても、からだに合わせた働き方がしにくいと、医者を辞めたいと思う傾向があるようです。
さらに、仕事が忙しいと家庭との両立が難しくなります。
病院や診療所にいる時間が長くなれば、家族と一緒に過ごせる時間が少なくなります。
ワークライフバランスの調整が難しいことも、医者を辞める理由に繋がっています。
医者を辞める理由は人によって様々です。
そこで、次の項からは、実際に医者を辞めて別の仕事についた人の体験を紹介していきます。
医者を辞めた人は?産業医を辞めて非常勤医師をしながらライターに
Aさんは、もともと産業医をしていました。
物づくりの工場に就職し、産業医として社員の健康維持をサポートすることが仕事でした。
産業医として働いていた工場では、時代の流れとともに、うつ病などの精神疾患の人が急増し、社員のメンタルヘルスに関わる仕事が増えてきたそうです。
仕事の急増とともに、Aさんは社員のメンタルヘルスの管理に自信が持てなくなってきました。
というのも、自分自身が仕事の忙しさで体調を崩すようになってきたからです。
そこでAさんは、産業医を辞めてwebライターに転身しました。
webライターであれば自宅で仕事をしながら、自分の時間も作りやすいと考えたからです。
現在は週に数回、非常勤として産業医をしながら、自宅でwebライターとして仕事をしています。
医者を辞めた人は?内科医を辞めてスポーツトレーナーに
病院で内科医をしていたBさんは、30代の時に医者の仕事を辞めました。
Bさんが医者を辞めた理由は、医者として仕事をする中で、「治すことだけが医者の仕事ではない」と思うようになったからです。
昔からBさんは、スポーツの分野に興味があり、医者の仕事を通して学んだ運動学や心理学の経験を活かして、スポーツトレーナーに転身しました。
Bさんが興味を持った分野は、「治療」よりも「予防」です。
医者をしていた頃には、病気やケガで問題を抱えている患者を診療していました。
しかし、Bさんは病気やケガになる前から、健康意識を持ってもらいたいという考えを持ち、スポーツトレーナーとして、あらゆる人の健康づくりをサポートするようになったのです。
医者を辞めた人は?産婦人科医を辞めて専業主婦に
産婦人科医のCさんは夫婦共働きで、夫も医者をしていました。
Cさんが医者を辞めた理由は、母親として仕事と育児を両立できなかったからです。
共働きの医者であったことから、Cさんは頻繁に育児を自分や夫の母親に任せていました。
一方で、医者の仕事では、育児を理由に残業ができなかったり、子どものことが気になったり、仕事に集中できないことが多くあったのです。
そういった仕事も育児も中途半端になっている状態を改善するために、Cさんは、医者をやめて専業主婦になりました。
仕事と家庭の両立が難しいという理由から、医者を辞めた人には、女性が多い傾向があります。
家族との時間を十分にとりたいと考えた時には、医者を続けることが難しい場合も多いようです。
医者を辞めた人は?医者を辞めた働き方もある
医者を辞めて、他の仕事で働いている人もいます。
医者を辞めた後の働き方としては、医師免許を活かした働き方もあれば、全く違った働き方をしている人もいました。
仕事が忙しすぎたり、家庭との両立が難しかったり、医者になる前の理想と現実とが違う場合もあります。
自分のからだや考えに合った働き方が重要です。
医者を辞めたいと迷っている時には、一度、他の働き方を経験してみるのも良いでしょう。