医者を辞めた後の生活に興味がある方も多いのではないでしょうか。
現在医者の仕事に就いている方の中には、医者を辞めたいと思っている或いは考えている方もいるのではないでしょうか。
特に勤務医の場合には、人間関係のしがらみや給与と釣り合いが取れないなどの問題から、退職や転職を考えている方が多い現状があります。
そこで今回は、実際に医者を辞めた人のその後の生活や辞める際の注意点などを中心に、医者を辞めた後について解説していきます。
医者を辞めたその後の生活
まずは医者という職業を実際に辞めた方の、その後の生活を紹介していきます。
30代後半~40代後半の方は、仕事を辞めても家族を養っていくなど生活していくだけの資金が不足している場合が多いため、多くのケースで医療に通じた関係先に再就職する事が一般的となっています。
例を挙げていくと、メディカルドクターとして製薬会社に勤務をする、医療系専門学校や大学の講師として後進の育成に携わる、医師としてでは無く研究者として医療分野に関わっていく、医療業務のコンサルタント会社を起業するなど医師免許資格を活かす事のできる職業に就く方が多い様です。
一部では医師としての経験を活かして医療機器メーカーへの転職や医療現場の改善を目的として、政治家などへ転身する元医師も増えています。
また、50代を過ぎると医学に関する文献の執筆やボランティアとして医療行為を行う医師が増え、通常のサラリーマンよりも早い段階でリタイアをして自由な時間を過ごす方が多くなる傾向にあります。
女性の場合には、出産育児などで早期復職を見込む事ができない場合には化粧品や製薬会社などの開発部門への転職や専業主婦として生活する方が多い様です。
医者を辞めた後|医者を辞めたいと思う原因 その1
一般的なサラリーマンよりも収入が多く立派な地位としても確立されている医者という職業ですが、昨今では医者を辞めたいと言う方も少なくありません。
これには様々な原因が存在しますが、その中でも代表的なのは仕事量と給与の釣り合いが取れていないと言う事が挙げられます。
特に勤務医の場合には一般的なサラリーマンと同じく月給制になっている事が多く、診療時間を過ぎて医療行為を行った場合でも通常診療と同じ固定報酬となるため、給与が上がる事はありません。
つまり10人の患者を診療した場合と100人の患者を診療した場合、両者で給与に大きな違いが出る事は無く仕事量に対して報酬の釣り合いが取れていないと言う事が、医者を辞めたいと思う最大の原因なのです。
また、当直や残業業務などで生活スタイルに支障が出ることがあり、プライベートな時間でも呼出しが掛かる場合があるなど、気持ちと体を休ませる事ができないと言う事も医者を辞めたいと思う原因の1つとされています。
医者を辞めた後|医者を辞めたいと思う原因 その2
医者を辞めたい思う原因の中で2番目に多く耳にするのが人間関係のしがらみや、仕事に対してのやりがいを感じづらいという問題です。
特に勤務医でも大学病院系の病院では、医療関係の中でも厳しい縦社会が存在すると言われており、教授や准教授の意見は絶大的な影響を持っています。
自分の意見が通りづらい職場環境である事や、上司と部下の間で起こる意見の不一致などから人間関係に嫌気がさしてしまい、医療と関係の無い事が原因で医者を辞めたいと思う方が多いのです。
さらに、子供の病気を治したいと言う理由で医学を学んだにも関わらず、循環器内科に配属されてしまい小児治療に携わる事が出来ないなど自分が目指していたものと異なる治療をしなければならないと言う事も理由の1つとして挙げられます。
また、医者は常に責任感というプレッシャーと戦わなくてはならない職業でもあり、失敗は許されません。
これらによって心身共に疲弊してしまい、やりがいを感じられなくなってしまう事も医者を辞めたいと感じる原因となっています。
医者を辞めた後|医者を辞める場合の注意点
様々な理由が原因となり、医者を辞めようと考えている方も多くいらっしゃると思いますが、辞める際には幾つか注意しなければならない点があります。
その中でも最も注意しておきたい点は、円満退職を優先するという事です。
退職にあたっては様々な事が原因となり辞める事になりますが、医療界は非常に狭い世界と言われているため、良い噂も悪い噂も伝わりやすい事が特徴です。
そのため、けんか腰での退職となると他の医療関連会社への転職や他の病院へ移る際に影響を及ぼす事があるため、不満はあってもできるだけ円満で退職する事が望ましいと言えます。
退職をすると言っても医師である以上、患者さんを粗末に扱う事はできませんし後任への引き継ぎ問題や患者さんとの関係に影響が出る恐れもあるため、退職は半年~3ヶ月前を目処に前以て知らせる事をおすすめします。
また、日本の医師には定年制度が無く、特に民間病院の勤務医には退職金が無いケースが殆どですので、退職相談の際に契約書の確認も行うなど注意をする必要があります。
医者を辞めた後|医者を辞めなくても多くの原因は解決する
給与面や人間関係が原因で医者を辞めたいと考える方が増えている現状がありますが、実はこれらの原因は勤務する病院を移るだけでも多くの問題を解消できる可能性があるのです。
特に給与面は、他の病院へ移る事で大きく上がる可能性があり個人の評価についても勤務する病院によって高評価を受けられる可能性があります。
さらに内科や外科など専門分野に特化した病院へ移る事でもやりがいを感じる事ができますし、このやりがいが医者と言う職業を続けて行くモチベーションにもつながるため、勤続年数などを気にして無理に現在勤務している病院にこだわる必要はありません。
また、大学病院以外の一般病院や個人総合病院には縦社会などの厳しいしがらみは存在しない事が多く、現在は医師不足と言う事もあり個人にあった職場を選択する事が可能となっているため、他の病院へ移る事は医者を辞めることなく現在の不平不満を解消できる大きなチャンスでもあるのです。
医者を辞めた後|まとめ
今回は、実際に医者を辞めた人のその後の生活や辞める際の注意点などを中心に、医者を辞めた後について解説してきましたが、給与面や人間関係など様々な事が原因で医者を辞めると言う方が増えています。
医者を辞めた後は元医師としての経験と知識を活かして、医者以外の医療関連に転職をし生活を行っている方が多く、様々な形で医療に携わっているようです。
医者という職業はその特性から、健康管理や死などの大きな責任を背負わなければならない仕事ですが、勤務する病院を移るだけで医者を辞めようと考えさせられる多くの原因を解消させる事も可能ですので、医者を続けたいと考えている場合には今の病院へ執着することなく他の病院へ移る事をおすすめします。
また、国立系を除く殆どの病院では退職金が無いケースが殆どですので、辞める際は注意が必要です。