医者の科で人気の科とはどこなのでしょうか。
医者になると、自分の専門とする診療科を選ぶ必要があります。
医者にとって診療科は、働き方や給料に関わってくる重要なことです。
医学生は、どのような診療科を志望しているのでしょうか。
ここでは、医学生に人気のある診療科やその理由について解説します。
医者の科で人気は?診療科別の医者の人数
2016年に厚生労働省が報告している「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、全国の医療機関(病院・診療所)で働いている医者の人数は296,845人でした。
厚生労働省では、2年ごとに、医療機関で働いている医者の人数を調査しています。
10年前に比べると、「内科(糖尿病内科)」、「精神科」、「眼科」の診療科で働く医者の人数が増えています。
逆に、「外科」、「小児科」、「産婦人科」で働く医者の人数が減ってきています。
医者が働く診療科の変化は、高齢者が増えたり、ストレスから精神疾患の人が増えたりする一方で、医療技術の進歩や少子化が進むなど、需要の変化も背景にあると考えられます。
医者の科で人気は?働きやすさから人気のある診療科
最近では、医学生には医者としての働きやすさから「眼科」、「皮膚科」、「精神科」の人気があります。
これら3つの診療科では、患者や家族から訴訟がされにくいことが特徴です。
テレビやインターネットのニュースなどで医療訴訟の報道が多いことから、医学生が訴訟される可能性の多い診療科を避ける傾向があります。
しかしながら、最高裁判所の「医事関係訴訟事件年次推移(2000から2013年)」では、医療訴訟の件数は10年前と著しく変わっていません。
メディアの報道を参考にする時には注意が必要です。
また、「眼科」、「皮膚科」、「精神科」は、将来的に開業していきやすいことも人気の理由です。
医者としてのキャリアを積んだ後に、自分の診療所を持ちたいと考えている人に向いていると言えるでしょう。
医者の科で人気は?収入面で人気のある形成外科
収入面で見ると、医学生には「形成外科」が人気の診療科です。
形成外科は、外科に分類される診療科です。
整形外科が、骨や関節、筋肉などの疾患を診療することに対して、形成外科では、やけどの治療やケガ・手術後の皮膚の治療などを診療します。
また、形成外科では、生まれつきからだにあるアザや皮下腫瘍などの診療も行います。
形成外科は、保険を使わない自由診療で行う治療の範囲が広いので、そこで働く医者の年収も高くなる傾向です。
医者になって収入を得て、自分の生活を充実させていきたいと考えているなら、形成外科が向いています。
医者の科で人気は?現役で働く医者が後輩に薦めたいと思う診療科
自分が専門とする診療科を選ぶ時には、現役で働く医者の意見も参考になります。
2015年に、m3.com(日本最大級の医療専門サイト)の医師会員を対象に、「後輩にお薦めしたい診療科」について意識調査が実施されました。
意識の調査の結果では、「内科」、「総合診療科」、「整形外科」が後輩に薦めたい診療科の上位にランキングされていました。
内科や総合診療科は、医者としての基本的な技術が身につきやすく、将来的にも開業しやすいといったことが薦めたい理由に挙げられています。
また、整形外科が薦められている理由は、需要が増えているからです。
高齢の患者が増え、転倒などによりケガや骨折する人が増えています。
高齢化がますます進む日本では、整形外科医の需要が増していくと考えられ、医者としての活躍の場も広がっていくと考えられています。
医者の科で人気は?診療科を選ぶ時に考えること
自分が専門にする診療科を選ぶ時には、いくつか注意が必要です。
まずは、専門にしたいと思っている診療科に、興味や適正があるかどうかです。
自分の興味や適性がない診療科では、医者として熱意を持って働いたり、長く働いたりすることが難しいでしょう。
また、将来的にどのような仕事やプライベートを送っていきたいかも考えておくと良いです。
医者としてのキャリアを積むだけでなく、プライベートでは結婚をしたり、実家に戻ったりすることもあるはずです。
そうなった時を考えると、家族と一緒にいる時間が作れるのか、開業がしやすいのかなども、専門とする診療科を選ぶ時に重要になります。
医者の科で人気は?自分に合う診療科を選ぶ
医学生の傾向では、「眼科」、「皮膚科」、「整形外科」の人気がありました。
また、現役の医者からは「内科」や「総合診療科」を薦める声もありました。
しかしながら、人気や推薦されている診療科が、必ずしも自分にあっているわけではありません。
専門とする診療科は、自分の興味や適正、将来のライフスタイルを考えながら選んでいくようにしましょう。