精神科医に向いている人とはどんなタイプなのでしょうか。
自分は、精神科医に向いているのか。
精神科医を志望する時には、精神科の仕事が自分の性格に合っているのか考えることが重要です。
医学生として優れた能力があっても、志望する診療科の仕事が合わなければ、仕事を続けていくことができません。
そこで、精神科医の仕事内容や必要とされる能力について説明します。
精神科医に向いている人は?精神科医の仕事
精神科医の仕事は、精神科を利用する患者の診察や治療を行い、患者の苦痛をやわらげたり、社会生活をサポートしたりすることです。
一言に精神科と言っても、色々な病気を抱えた患者がいます。
代表的な病気には、統合失調症、うつ病、不安障がい、薬物・アルコール依存症、認知症、てんかんなどがあります。
精神科では、特定の病気だけを専門に診療を行っている病院が多いのも特徴です。
厚生労働省の調査によると、平成23年に精神疾患により医療機関にかかっている患者は、約320万となっています。
労働環境や生活環境の変化などにより、精神科を利用する患者が増えています。
精神科医は、今後、ますます必要とされる医者と言えるでしょう。
精神科医に向いている人は?精神科医に必要な能力
精神科医に必要とされる能力とは、どのような能力でしょうか?
精神科医の仕事内容からは、以下の能力が、仕事をする上で必要なります。
- コミュニケーション能力
- 精神疾患に関する知識
- 内科疾患に関する知識
- 薬や心理療法に関する知識
- 法律に関する知識
精神科では、問診を通して患者の状態を診察したり、治療の方向性を考えたりする必要があります。
そのため、精神科医には、患者や家族とのコミュニケーション能力がもっとも重要です。
患者の診察や治療を的確に行うには、精神疾患の知識や精神疾患の薬の知識が必要です。
ただし、精神疾患の場合、患者は内科系の疾患を患っている場合もあります。
例えば、便秘や頻尿などです。
精神科医には、心とからだの両方を、診察・治療できる能力が必要です。
また、患者の生活を支援していく時には、自立支援医療制度や成年後見制度など、社会生活を送る上で必要となる法律の知識が欠かせません。
精神科医に向いている人は?精神科医に向いている人
精神科医に向いている人は、次のような人です。
人の話を聞ける人
精神科では、「患者の話を聞くこと」が、診察や治療の基本です。
精神科を利用する患者は、上手く症状を説明できなかったり、人と話をすることが苦手だったりすることもあります。
そのため、精神科医には、患者が話しやすい態度、患者から話を聞き出せるコミュニケーション能力のある人が向いていると言えます。
心とからだの病気に興味がある人
精神科では、精神疾患による心の問題と、それによって合併しているからだの病気を診察・治療することが求められます。
精神科医は、心の問題だけでなく、患者の訴えを聞いてからだの病気にも対処できなければいけません。
精神科医は、心とからだの病気の両方に興味がないと務まらないと言えるでしょう。
他人の生活に興味がある人
精神科医は、診察や治療を通して患者の社会生活をサポートします。
患者によっては、金銭的な負担を軽減する制度を利用できたり、後見人が必要であったりする場合もあります。
精神科医として、各種の制度についての情報を提供するためには、患者の生活に興味を持てると良いです。
ストレスを溜め込みにくい人
精神科医は、短い診察時間の中で生活のことや治療に必要な情報を聞き出し、1日に多くの患者を診察します。
そのため、精神科医自身が、心身の調子を崩さないように、体力があったり、ストレスを溜め込みにくかったりする人の方が精神科医には向いています。
精神科医に向いている人は?精神科医を志望した理由は?
2012年に行われた厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、医療施設に勤務する精神科医の人数はもっとも増えており、1994年の調査から52.3%増加していました。
精神科医を志望した理由は、人によってさまざまです。
例えば、精神的な病気を患った人の支援をしたい、生きづらさを感じている人の支えになりたいなど、患者を支援することにやりがいを感じ精神科を志望した医師がいます。
また、診察や治療で患者を支援しながら、精神医学の発展に貢献したいと考える医師もいます。
一方で、肉体労働が少なく給料が安定しているなど、働きやすさから精神科医を志望する医師もいます。
いずれにしても、自分がどういった医師になりたいか、どのような環境で働きたいかを考えることが、診療科を選ぶ時に重要です。
精神科医に向いている人は?精神科医のやりがいとは?
精神科医のやりがいは、患者や患者の生活と向き合って治療していくことです。
他の診療科に比べると、精神科を利用する患者は、治療期間が長くなったり、親密なコミュニケーションが必要になったりする場合が多いです。
そのため、精神科医は、長い治療の間、患者に寄りそった支援がしやすいです。
場合によっては、長い治療の間に患者との関係性が崩れてしまったり、治療が上手くすすまなかったりすることもあるかもしれません。
それゆえに、患者が元気になる姿や社会に復帰する姿が見られた時には、精神科医としての大きなやりがいを感じられます。
精神科医に向いている人は?患者の生活に寄りそった支援ができる
精神科医は、患者や家族とコミュニケーションをとりながら、長い期間にわたって治療を行っていきます。
精神疾患の知識だけなく、内科疾患や法律の知識、また患者の生活全体を考えた支援が必要です。
長い治療期間では、患者との関係性が崩れたり、治療が上手くいかなかったりする場合もあるでしょう。
だからこそ、精神科医は、患者の生活に寄り添った支援ができると言えます。
精神科医を志望する時には、参考にしてみてください。