フェロー医師とはどのような医師なのでしょうか。
医学部を卒業した若手医師は、「フェロー」と呼ばれます。
フェローは、所属する病院によって、後期研修医や修練医など、他の名前で呼ばれることも。
若手医師の呼び方は、自分の卒業後の肩書きに関わってくるので、整理しておきたいです。
そこで、フェローなど、若手医師の呼び方について、説明します。
フェロー医師とは?フェローとは?
フェローとは、「後期研修医」のことです。
医学部を卒業した直後の医師は、研修医と呼ばれます
研修医になると、2年間は、法律で義務づけられた初期研修を受けます。
2年間の初期研修期間中の医師は、「前期研修医」と呼ばれます。
「前期研修医」に対して、初期研修を修了した3年目以降の医師が、「後期研修医(フェロー)」です。
このように研修医は、医学部の卒業後の期間で、「前期研修医」と「後期研修医(フェロー)」に分けられています。
また、一般的には、医学部を卒業して、3年目から5年目までの医師に対して、「フェロー」と呼ぶことが多いですが、どのくらいまでの期間までを「フェロー」と呼ぶかは、所属する病院で違ってきます。
フェロー医師とは?医師の臨床研修制度
医学部を卒業する年には、医師国家試験を受験します。
国家試験に合格し、医師免許を取得すると、医師の臨床研修制度を受けることが、義務づけられています。
医師の臨床研修制度とは、国家試験に合格した医師を、指定された病院で実地研修させる制度です。
実地研修を受ける医師は、「前期研修医(または初期研修医)」と呼ばれます。
「前期研修医」は、医学部卒業後に、2年間をかけて、次の分野を実地研修する必要があります。
必修または選択 | 分野 |
---|---|
必修 | 内科・救急・地域医療 |
右の分野のうち、2分野が選択必修 | 外科・麻酔科・小児科・産婦人科・精神科 |
実地研修を修了すると、各診療科の専門医として、勉強したり、働いたりしていく「フェロー(後期研修医)」になるのです。
フェロー医師とは?フェロー、後期研修医、修練医、専攻医
フェローには、「後期研修医」以外にも、同じ意味を持つ言葉があります。
それは、修練医です。
所属する病院によっては、フェローや後期研修医のことを、修練医と呼んでいます。
つまり、修練医も、「2年間の医師の臨床研修制度を修了し、専門医の研修プログラムに進んだ医師のこと」を指しています。
また、2018年4月から、新しい専門医制度が始まりました。
従来までの専門医制度の中では、専門医の研修プログラムに進んだ医師は、後期研修医と呼ばれていました。
しかし、新しい専門医制度では、後期研修医と呼んでいた名称が、「専攻医」と呼ばれるようになります。
まとめると、フェロー、後期研修医、修練医、専攻医は、所属する病院によって呼び名が変わりますが、専門医制度の中では、「専攻医」と呼びます。
フェロー医師とは?なぜフェローと呼ばれるようになった?
そもそも、なぜ、後期研修医のことを、フェローと呼ぶようになったのでしょうか?
その理由は、医師側からの患者に対する配慮がきっかけです。
後期研修医は、専門医になるための研修中ではありますが、医師の臨床研修制度を修了し、基本的な診療をすることができようになった医師です。
しかし、患者によっては、医師の呼び方に、「研修医」という名前が付いていることで、後期研修医に診療されることに、不安を抱く方もいました。
そこで、患者に、不安を抱かせないように、「フェロー」という呼び方が使われるようになったのです。
フェロー医師とは?レジデントとは?
フェローと同じ意味で使われる名称として、他に、「レジデント」があります。
レジデントとは、「住人」という意味です。
昔から、若手医師は、仕事が忙しく、ほとんど病院の中に、住み込むような形で働いていました。
そこで、そのような医師の働き方から、レジデント(病院に住む人)と、呼ばれるようになったのです。
初期・後期研修医、フェローなどに比べると、レジデントは、昔からある若手医師の呼び方です。
また、レジデントも、所属する病院によって、使い方が違ってきます。
初期研修医をレジデントと呼ぶ病院もあれば、後期研修医も合わせて、レジデントと呼ぶ病院もあります。
フェロー医師とは?若手医師の呼び方は、所属する病院による
若手医師の呼び方をまとめると、次のようになります。
- 前期研修医またはレジデント
- 後期研修医、フェロー、修練医、専攻医またはレジデント
フェローとは、2年間の臨床研修制度を修了し、専門医の研修を受けている医師のことです。
色々な呼び方がありますが、呼び方や期間は、所属する病院によって違ってきます。
自分の役割を確認したり、他の医師との仕事をしやすくしたりするには、配属された病院での呼び方を、確認するようにしましょう。