皮膚科医は当直が少ないって本当でしょうか。
皮膚科医を志望する時には、皮膚科の仕事内容や働きやすさについて知っておきたいです。
医者として長く働いていくには、自分に合った診療科を選ぶ必要があります。
そこで、皮膚科医の仕事内容や働きやすさについて見ていきましょう。
皮膚科医の当直|皮膚科医の仕事内容
皮膚科医の仕事は、赤ちゃんから高齢者まで、さまざまな皮膚の病気を診察し治療することです。
皮膚科で診療する病気には、湿疹、かぶれ、皮膚の炎症、じんましん、やけど、白癬症、褥瘡、全身性エリテマトーデスなどの膠原病などがあります。
皮膚科医には、病院や診療所で勤務医として働いたり、開業したりしている人が多いです。
2016年の厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、全国の皮膚科で働いている医者の人数は、3,691人でした。
この人数は医者全体の約2%にあたります。
特に皮膚科医は、他の診療科に比べると男女の割合が少ないことが特徴的です。
病院の場合は男性:女性=45.7:54.3、診療所の場合は男性:女性=57.1:42.9 という男女比になっています。
皮膚科の仕事環境は、女性にとっても働きやすいと言えます。
皮膚科医の当直|皮膚科医は当直が少ない
皮膚科医は、他の診療科に比べると当直が少ないです。
「当直」とは、医者が夜間や休日・祝日に診療を行うことです。
2012年に独立行政法人労働政策・研修機構が行った調査によると、皮膚科医の1ヶ月間の当直日数は、以下のようでした。
日直回数(日曜・祝日の勤務) | 皮膚科医の回答 |
---|---|
なし | 47.8 |
1~2回 | 47.6 |
3~4回 | 2.8 |
5回以上 | 1.8 |
宿直回数(夜間の勤務) | 皮膚科医の回答 |
---|---|
なし | 41.2 |
1~2回 | 42.5 |
3~4回 | 14.6 |
5回以上 | 1.8 |
同調査では、診療科を問わず全ての医者に1ヶ月あたりの当直回数を聴取したところ、当直が1回以上と回答した医者は約60%でした。
調査結果からも、皮膚科は他の診療科に比べると、当直(日直・宿直)が少ないことがわかります。
皮膚科医の当直|皮膚科医を選ぶメリット
皮膚科医を選ぶメリットは、医者としての働きやすさです。
皮膚科は、病院や診療所を問わず、外来診療が中心となる場合が多いです。
当直の回数が少なく、睡眠をとって健康を維持したり、家族と過ごす時間ができたりして、ワークライフバランスがとりやすい診療科と言えるでしょう。
また、皮膚科医が対象とする患者は、赤ちゃんから高齢者までと年齢層の幅が広いです。
少子化が進み、子どもの数が減ってきていますが、高齢化で高齢者の数は増えています。
時代が変わっても対象とする患者の人数が大きく変化しないことから、今後も需要が変化しない診療科と考えられます。
皮膚科医の当直|現役の医者が皮膚科を選んだ理由
現役で働いている医者は、どのような理由で皮膚科を選んでいるのでしょうか?
皮膚科を選んだ理由は、大きく分けて2つに分類できます。
医業としてのおもしろさ
皮膚科医の治療の特徴は、治療効果が目に見えること、患者の全身の病気を診療できることです。
そのため、患者の傷が良くなっていく様子を観察できたり、患者と治療効果を共感できたりすることに喜びを感じ、皮膚科を専攻する医者が多い傾向にあります。
働きやすさ
また、女性の医者を中心に、働きやすさから皮膚科を選ぶ人が多いです。
特に女性には「結婚」、「妊娠」、「出産」を考えた時に、仕事量を抑えたり、休職や復職したりしやすい診療科として、皮膚科が選ばれています。
このように多くの皮膚科医は、皮膚科での治療のおもしろみや働きやすさから、皮膚科医を選んでいるようです。
皮膚科医の当直|皮膚科医のやりがい
皮膚科医のやりがいは、自分が行った治療の結果が目に見えてわかることです。
患者の病気の状態によっては、1回の診察・治療で終わらず、病気の経過を追いながら治療を継続していきます。
診察や治療を重ねるごとに、病気の状態が良くなっていくことを観察し、それを患者と一緒に共感しやすいところが皮膚科医としてのやりがいに繋がるでしょう。
また、皮膚科医は働く場所によっては時間にゆとりが作りやすいです。
そのため、日々の診療を行いながら、研究活動に力を入れやすいことも特徴です。
皮膚科医によっては、アトピーやアレルギー、免疫機能などの研究に力を入れることにやりがいを感じている人もいます。
自分のやりたいことに費やせる時間を作りつつ、患者と喜びを共感しやすい治療を行えることが、皮膚科医のやりがいです。
皮膚科医の当直|医者として皮膚科は働きやすい
皮膚科医は、他の診療科に比べると1ヶ月あたりの当直が少ないです。
からだの負担が少なく、自分の時間が作りやすい診療科と言えるでしょう。
診察や治療では、患者と一緒に治療効果を確認でき、喜びを共感しやすい診療科です。
医者としての働きやすさから診療科を選ぶ時には、皮膚科の専攻を検討してみてはいかがでしょうか。