医者の収入ランキングについて紹介します。
平成29年度厚生労働統計によると勤務医の平均年収は1696万円となっています。
開業医よりは低いとは言うもののそれでもかなり高額な給料であることは間違いありません。
しかし勤務医の給料は所属診療科によって、また都市部に勤務するか、地方に勤務するかによって大きく異なります。
また病院の経営母体によってもかなり違ってきます。
今回はそんな勤務医の収入をいろいろなランキングごとに紹介します。
医者収入ランキング|内科系
まずは内科系診療科からです。
1位は人工透析を行う透析科で1552万円です。
人工透析は一度施行するようになると週に数回、定期的な通院が必要になります。
人工透析は一般的に腎臓移植を行わない限り一生続くので、長期間にわたって安定した収入を見込めることが理由と思われます。
続く2位は内視鏡科で1550万円です。
病院によっては消化器内科の医師が担当することもありますが、胃カメラや大腸カメラのスペシャリストです。
胃がん、大腸がんの患者が増加していることが理由と思われます。
続いての第3位は泌尿器科1481万円です。
こちらは高齢化に伴い患者が増加していることが理由として挙げられます。
医者収入ランキング|外科系
続いて外科系の診療科別ランキングです。
1位は美容外科で2095万円と他の診療科を大きく引き離しており、まさに“ぶっちぎり”状態です。
美容整形は自由診療であり保険が効かないため高い報酬を得やすいという特殊な理由があるためです。
続いて第2位は整形外科1548万円、第3位は産婦人科1526万円と続きます。
第2位の整形外科が高収入の理由も高齢化と関係しており、骨折やケガをする高齢者が増加している事が理由と言えるでしょう。
また子供から老人まで満遍なく患者になりうることもその理由の一つです。
産婦人科はそのリスクの高さからなり手が少なくなっていることが理由として挙げることができます。
医者収入ランキング|地域別
医師の場合、都市部より地方の方が収入が良いと言われています。
厚生労働省が発表する平成28年度賃金構造基本統計調査の統計データによると男性医師の場合、1位は宮城県で1868万円、2位は滋賀県で1863万円、そして3位は青森県で1774万円となっています。
一方女性医師の場合、1位が高知県で1955万円、2位は宮城県1627万円、そして3位は新潟県の1568万円となっています。
なお東京都の場合、男性医師の平均年収は1040万円と17位、女性医師の平均年収は983万円と10位でした。
なお女性医師のランキング1位の高知県ですが、平均年齢が59.5歳と突出していることが原因です。
医者収入ランキング|経営母体別
経営母体別勤務医の年収ランキングです。
厚生労働省が発表する第20回医療経済実態調査の報告からの引用です。
1位は「医療法人民間病院」で1544万円です。
続く2位は都道府県、市町村立病院、公立大学医学部付属病院といった「公立機関」で1494万円、3位は私立大学附属病院、社会福祉法人、一般社団法人といった「その他法人機関」で1456万円、4位は国立病院、国立大学医学部付属病院など「国立医療機関」で1425万円、5位は赤十字、JA厚生連病院などの「公的機関」が経営する病院で1387万円となっています。
6位は「社会保険関係法人」で1324万円です。
医者収入ランキング|病院長・経営母体別
「いずれは院長に」と思う人もいるでしょう。
厚生労働省第20回医療経済実態調査の報告、病院長の年収ランキングも紹介します。
1位は勤務医同様「医療法人民間病院」で2930万円、続いての2位は私立大学附属病院法人を含む「その他法人機関」で2541万円となっています。
勤務医の年収では5位の「公的機関」病院ですが、院長になれば3位に浮上し、その額は2134万円です。
続いての4位は勤務医ランキング2位だった「公立機関」で2069万円、5位は「国立医療機関」で1933万円、6位は「社会保険関係法人」1629万円と続きます。
院長ともなると1位と6位の差も大きく広がり、1300万円以上の年収差になります。
医者収入ランキング|まとめ
「外科系の方が内科系より収入が多い」と思われることが多いようですが、美容整形外科を除けば内科も外科もそれほど大きな違いはないようです。
内科、外科に限らず今後高齢化に伴い患者が増加する診療科が収入も多い傾向にあるようです。
勤務医の収入を大きく左右するファクターに、勤務する都道府県と病院の経営母体が挙げられます。
特に都心部より地方部の方が収入が良いのは間違いなく、高収入を得たいのであれば都心部の病院よりも地方の病院がおすすめです。