農業に転職する場合50歳から挑戦できるのでしょうか?結論からいうと十分挑戦は可能です。
ただ、簡単ではありません。
転職というと会社への就職を思い浮かべる方がほとんどでしょう。
最近のスローライフやオーガニック志向から就農する方々が増えています。
地方自治体も移住を積極的に推進し、その補助で就農する人もいます。
実例を見ていきましょう。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|支援制度を利用して就農したAさんの場合
私は東京でサラリーマンをしていて、支援制度を利用し就農しました。
トラクターなども購入し、土地代以外で1000万円ほどかかりました。
無論土地を含めると相当な額です。
自分で自由にやりたい気持ちが強く、お客様の顔を見たいという強い気持ちがあったので、
作物なども指定される農協への加入は見送りました。
作物は果物中心で就農し、ぶどうやりんごなどを栽培していました。
ただ、これが数年にわたり不作で、目標を大きく下回ってしまいました。
農協に加入しなかったことが災いし、支援も受けられませんでした。
私が就農した土地は閉鎖的で周りの農家とも折り合いは悪く、経営難のため兼業もせざるを得ず、家族にも不満があるみたいで申し訳ないきもちです。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|いきなり就農したBさんの場合
私は東京の広告代理店で取締役をさせていただいておりまして営業として勤務しておりました。
実家が農家の友人から相談されたのがきっかけで、農業についての情報収集を開始しました。
就農者と知り合ったり、本当に美味しい野菜はどんなものかや農薬の問題点など深く知るようになりましたね。
就農活動の開始下準備として1、2年研修を受けるつもりで新規就農相談センターへ相談しました。
「年齢から国の補助は得られない」と聴き、すぐ就農したほうが良いと助言を受けました。
次に就農場所を調査し、仕事で付き合いのあったNPO法人に相談しその休耕地に就農しました。
土地はその中でも人里離れた場所を選びました。
就農者や飼料メーカーの方に相談しながら栽培しています。
最初は大量生産向きのF1品種を栽培したのですが、その後はその土地にあった伝統野菜、地場野菜の「固定種」を栽培しています。
トマト、ナス、パプリカ、ハーブなどを栽培しています。
F1品種と違って収穫物は不揃いですが、その分栽培方法など都度考える必要もあり、大変ですが楽しいです。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|転職で大切なこと
農業という会社員人生とは異質な特殊な職業へ転職されたお二人の体験談でした。
このお二方の成否を分けたのはなんだったのでしょうか?転職する場合「農業」だから特別ということはありません。
転職する場合に必要なのは情報収集はもちろん、どういった将来像を持っているか重要です。
また、困った時友人、知人、転職エージェントなど相談できる人が身近にいるかというのも重要でしょう。
企業の中のお人に直接質問する機会というのも転職フェアなどで最近多くなっています。
会社や業種と同じように農業をする場合には土地の風土も重要です。
どういった土地なのか、人はどうなのか。
その土地に根付く作物はどういったものなのかということです。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|就農の形態
就農の形態にもいくつかあります。
次の4つです。
1.農業法人に就職する
2.就職したのち独立する
3.既存農家を経営継承する
4.新規就農する
お二方は基本は4番の新規就農となっています。
ただ、Aさんが支援制度活用後すぐ就農し、農協にも所属しなかった反面、Bさんは就農前からの人間関係を活用し、相談しながら情婦収集を行い、数年研修するつもりで新規就農相談センターへ相談にいっています。
サラリーマンにとって農業は0からの出発に近く、起業とほぼ変わらないということもできるでしょう。
起業支援を活用し、資金を得ても企画、開発から製造し、販売ルートを開拓後プロモーションを行い営業して販売に結びつけるというのを、0からやるのと変わりありません。
計画的に行うなら就職後独立したり、既存企業の経営継承のほうが業務フローや人材まで期待できるので、起業の難易度は低下します。
Bさんは相談しながら1を2にしていたのに対して、Aさんは0を1にしようとしてうまくいかなかったのです。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|土地、作物の選定
就農の形態が決定したら次に土地や作物の選定です。
土地によっては人間関係が難しい土地もあります。
農地は土地や水で繋がっているため、おかしなことをすると自分の土地にも影響が及ぶこともあるので、その土地に伝わっている方法や作物で栽培するのが自然です。
大地に根付かない作物は根を張れません。
Aさんは果物を中心に栽培を始めましたが、Bさんは野菜中心でした。
土地にもよるのですが、一般的に果物は野菜より栽培が難しいため、就農初期には難しいでしょう。
特にBさんは「固定種」など地場野菜を栽培し、その土地に根付いた作物に早めに切り替えています。
作物は大地に根付く必要があるのです。
農業に転職する場合50歳から挑戦できる?|50歳からの農業挑戦で大切なこと
AさんBさんお二方の貴重なご経験を比較しながら農業への転職をみてきました。
農業で大切なのは人も作物も大地に根を張れるかです。
そのために情報収集して就農形態を調べたり、就農者に相談したり、土地や人についての調査を行い、育てる作物の選定などを決定していくのです。
農業はクリエイティブな仕事です。
天候の急変や疫病、害虫の流行など自然条件に左右されやすい職業です。
ただ、そういったトラブルへの対処や人間関係の醸成などを通じて、人間的な進歩など多くの学びを与えてくれる仕事でもあります。
農業はやりがいのある仕事です。
ぜひ、頑張って挑戦してください!