薬剤師レジデントのメリットとはどのようなものでしょうか?薬学部を卒業した後の選択肢として「薬剤師レジデント」があります。
今回は、この薬剤師レジデントの制度の内容や、この制度を利用するメリット又はデメリットについてまとめてみました。
薬剤師レジデントのメリット|薬剤師レジデントとは?
そもそも薬剤師レジデントとはどういう制度なのでしょうか?この制度は、大学を卒業した後、病院として薬剤師として働きながら、研修を受けて、スキルを向上させる制度になります。
アメリカの制度を参考として、実践力があり高度な業務内容もこなすことができる薬剤師を育成することを目的で始まりました。
1年目は、一般的な領域について広く学び、希望する人は2年目に進み、より専門的な領域について学ぶというプログラムを実施している病院が多くなってます。
この制度は、2002年度に北里大学北里研究所病院で初めてスタートし、その後、各地域の基幹病院や国立病院でも実施されるようになっていきました。
そして、2014年には、40以上の施設がこの制度を導入しています。
薬剤師レジデントのメリット|研修生と薬剤師レジデントとの違いは?
薬剤師には研修生というものもありますが、レジデントと研修生はどう違うのでしょうか。
研修生制度は、レジデント制度がスタートする以前からあるもので、一部の大学病院などを中心に実施されてきたものです。
この研修生制度は、医師の研修制度のように義務化されたものではなく、カリキュラムも各施設で独自のものを行っていることから、問題視されるようになりレジデント制度が導入されることになりました。
こうした経緯からも分かるように、レジデント制度の方が、研修生制度に比べ、実施している施設ごとに特徴はあるものの、専門性の高い知識や技術を体系化されたプログラムを通して学ぶことができるのです。
さらに、大きな違いが待遇面になります。
研修費を払って学ぶ研修生とは違い、レジデントは職員という立場で採用されるため、給与が発生します。
社会保険や厚生年金、雇用保険にも加入でき、福利厚生がしっかりしている所もありますので、安定した環境で学ぶことができるのです。
薬剤師レジデントのメリットとは?
薬剤師レジデントには、どんなメリットがあるのでしょうか。
1番のメリットは、やはり、職員として雇用されながら、実践の場で専門的な知識やスキルを勉強できるということになると思います。
病院によっては、認定薬剤師の受験資格を取得することができるため、資格の面でもキャリアアップすることができます。
さらに、知識や技術の習得だけでなく、学会発表を目標に臨床研究に携わることや、チーム医療に関する経験を積むことができますので、研究の分野や多職種との連携の分野についても見識を広めることに繋がります。
さらに、もう一つのメリットは、研修終了後の就職です。
しっかりと業務と研修に取り組む姿を示していくことで、研修終了後その施設への就職につながる可能性が出てきます。
薬剤師レジデントにはメリット|デメリットも?
薬剤師レジデントのデメリットにはどのようなものが考えられるでしょうか。
一つ目のデメリットとしては、レジデント制度で、特定の分野に特化した専門知識やスキルを身につけることができる分、他の職場に移った際に、仕事の内容の違いにギャップを感じたり、専門性を活かしきれないという結果になってしまうということが挙げられます。
築いてきたキャリアの専門性の高さ故の悩みが出てきてしまうのです。
二つ目のデメリットとしては、薬剤師レジデントとして雇用されている状態ですので、研修の途中で自己都合で退職するということがしにくいということがあります。
薬剤師レジデントのメリット|薬剤師レジデントになるには?
薬剤師レジデントになるためには、自分で募集が出ている施設を見つけて応募する必要があります。
募集に関する情報は、レジデント制度を実施している施設のホームページや日本薬剤師協会のHPに情報が掲載されています。
また、大学の就職課で、以前に同じ大学からレジデントとして採用された実績がある施設の情報を教えてもらえるかもしれませんので相談してみるのも一つの方法です。
募集開始の時期や募集期間は、各施設によって異なりますので、随時情報をチェックしておくことをオススメします。
試験の内容は、書類審査と筆記試験及び面接試験となっている施設が多いようです。
薬剤師レジデントのメリット|まとめ
薬剤師レジデントは、短い期間で、実践における基礎的な知識・技術から専門的な知識・技術、さらには臨床研究やチーム医療についてまで学ぶことができる制度で、大学卒業後のキャリアを考える上で有益な制度となっています。
ただし、実施している施設がまだまだ少ないため、狭き門となっているようです。
大学卒業後の進路として検討している方は、随時情報をチェックして、急な応募や試験にも対応できるように、少しずつ準備をしておくことがオススメです。