放射線科医の魅力って何でしょう。
医師にもいろんな専門科が分かれていることはご承知のことだと思いますが、現状、医師数が不足していることはご存知ですか。
医師数が全体的に不足しているという現実はもちろん影響していますが、放射線科医の魅力を知れば違った見え方もあるのではないでしょうか。
放射線科医の現状と仕事の魅力①現状
放射線科医の現状は、かなり厳しい状況にあるようです。
海外との比較が良くなされますが、欧米から比べるとその数は人口当たり4分の1程度しかいないといわれています。
画像診断や放射線治療という重要な医療を担う医師なのですが、医師不足により治療を受ける場所が限定的になり、患者にとっても選択肢の不足、適切な治療を受けるという点で不利な状況を生み出しています。
先端医療を担う医師を育てるという点でもよくない環境といえます。
放射線科医とは放射線治療ももちろんですが、画像下治療のような先端医療担う立場にもあり、医療業界からとってみても不安要因となっているといえます。
だからこそ、重要な位置づけとなる医師であり、やりがいという点では魅力があるといえます。
放射線科医の現状と仕事の魅力②人数
では放射線科医の人数はどうでしょう。
勤務状態は決して他の診療科と違うこともなく、忙しいのは変わりありません。
当然当直もあり、緊急対応が必要な放射線検査もあります。
ただし治療に関するカンファレンスでは、他の診療科とのカンファレンスが多いのは事実です。
検査の中でも画像診断は重要な位置を占めています。
正確な読影ができるのは、放射線科専門の医師の独占といえます。
そのため重要な役割があり、放射線科医がいなければ治療方針が立てられないということも考えられます。
そういった魅力はあります。
でも人数が少ないといわれていますが一体どのくらいの人数でしょう。
一番多い内科医師は約60000人に対して放射線科医は6500人余りとその差は歴然としています。
まず放射線に対する抵抗感というのは否定できないことでしょう。
それと近年課題となっているのが、画像診断の問題です。
画像診断といっても読影するのは人なので、もちろん間違いがないわけではないですが、だからといって診断を待っている患者からすれば間違いは命取りともなるので、訴訟などに発展する可能性があります。
そのような理由から敬遠されてしまうことが原因とされています。
放射線科医の現状と仕事の魅力③年収
医師の年収というのは、誰もが気になるところです。
年収はキャリアや勤務地域や勤務先、勤務条件でも違ってきます。
地方よりは都市地域での所得が高い傾向にありますが、地方では医師は不足傾向にあるので、条件によっては都市部と大差ない条件で勤務できる場合もあります。
全国的に見て、平均は1000万円以上提示されています。
都市部では1400万円以上の年収を獲得している医師が多いといわれています。
診療科別でも年収に関しては、放射線科医と他の診療科の医師との差はほとんどありません。
大学病院や公立病院の場合は独自の給与基準があるので、平均より低い金額のことも考えられますが、自身のキャリアや勤務する地域によって年収が提示されますので、十分検討してみましょう。
放射線科医の現状と仕事の魅力④キャリア
放射線科医になるとどのようなキャリアを積んでいくことになるのでしょうか。
かつては放射線科医というと、画像を見て診断することと、放射線治療を両方実施していました。
でも現在は専門分化が進んでいます。
画像診断専門医、放射線科専門医さらには放射線治療専門医やがん治療認定医を目指してくことになります。
がん治療のなかでも放射線治療技術は目覚ましく進歩しており、専門性が高くなっています。
過去には位置づけがあいまいなイメージがありましたが、現在では専門的先端医療の認知がされてきており、新しいことにトライするという意味ではキャリアとして非常に魅力的な診療科といえます。
放射線科医の現状と仕事の魅力⑤職場はどんな魅力があるのか
放射線科医は、放射線治療を扱うまたは放射線で撮影した画像を診断することが仕事で、病院がメインの職場となりますが、でも他にはどんな職場があるのでしょう。
主な職場としては、検診を中心に行っている診療所や、健診センター、がん治療に特化した病院などが考えられます。
それぞれの専門を活用して勤務することもありますが、画像診断と放射線治療を両立しなくてはいけないところもあります。
特に地方の医院や病院の場合は、人員不足のため両立を前提に勤務しなくてはならないことが多いのが現状です。
放射線を取り扱うという点では十分な注意も必要ですが、勤務条件を考えるとき、女性の医師が活躍できる場所でもあります。
健診センターなどでの画像診断や、放射線治療の分野は計画的治療を実施することができ、時間調整はほかの診療科よりしやすく、時間制限の勤務の条件がある場合、専門性を活かした職場が確保しやすい環境にもあるでしょう。
放射線科医の現状と仕事の魅力⑥将来性とまとめ
将来性は有望といえます。
専門分化が進んでいることは述べましたが、医療機器の発達において放射線科医はますます需要が高まることは言うまでもありません。
しかし医師数が少ない現実があり、一人一人の役割が重要となってきています。
放射線科医の魅力として、患者さんと直接かかわりながら一緒の空間で治療を行うことも挙げられます。
最新医療の先導者でもあり、画像診断においては患者の治療方針にぶれない根拠を与えることができる中心的な役割も果たします。
ほかにも画像診断を通して遠隔地の医師や患者とのやりとりができ、放射線科医が不在の地域ではなくてはならない存在となっています。
重要な役割である分ハードな面もありますが、やりがいがあるのも放射線科医なのです。
医師個人の事情も考えた時も、勤務条件が調整しやすい利点もあり魅力的な診療科ともいえるでしょう。
放射線科医はほかの診療科に比べても貴重な存在であり、目指す人が増えてほしい診療科の医師といえます。