療養型病院で看護師のやりがい

療養型の病院で働く看護師のやりがいとは何でしょうか？看護師が病院で働くと言っても様々な選択肢があります。

そして、その選択肢の一つとして療養型病院があります。

一般病棟とは違った特徴を持つこの療養型病院の概要、看護師の仕事内容、そして、この病院での仕事のやりがいについてまとめてみました。

療養型病院における看護師のやりがい|療養型病院とは？

療養型病院とは、主に「治療」よりも「療養」を目的とした病床を持つ病院のことになります。

一般病棟のように比較的短期間で積極的治療を行うのではなく、長期的な療養を行う必要がある患者さんのケアを行うことが業務となります。

そのため、他の病棟に比べて医療処置を行うことが少ないため、病床面積はゆとりのある広さとなっていたり、談話室の設置義務などもあったりします。

また、療養型病院は、次の2種類に分けられます。

医療療養型病床
病状が慢性化しており、入院医療を必要とする患者さんに対して「医療保険」でサービスを提供する病床になります。
介護医療型病床
要介護認定をされた患者さんに対して「介護保険」でサービスを提供する病床になります。ただし、順次廃止が進められ、介護料人保健施設や新たな施設へと移行されていっています。

療養型病院における看護師の業務内容ですが、医療処置については一般病棟と同様のものになりますので、バイタルチェックや検温、注射、点滴、採血などを行います。

さらに、慢性化した状態の患者さんになるので、褥瘡の処置や胃ろう・経鼻栄養による経管栄養のケアなども行う必要があります。

そして、そうした業務に加えて、療養型病院では、介護的な側面を持つ業務を担う必要が出てきます。

介護的な側面を持つ業務とは、おむつ交換や入浴介助、食事介助などになります。

さらに、療養型病院の患者さんは長期的に入院をしているため、患者さんにとって病院は生活する場所になっています。

そのため、できるだけ気持ちよく生活できるように、患者さんのQOL（生活の質）にも配慮したケアが必要になります。

例えば、レクリエーションなどを企画、開催して、患者さんに楽しい時間を過ごしてもらうことも看護師の大事な業務になってきます。

療養型病院における看護時のやりがいの1つ目は、患者さんとじっくりコミュニケーションを取ることができることです。

一般病棟では、患者さんとコミュニケーションを取りたいと思っていても、急な処置が入ったりすることも多く、なかなか時間をとることができません。

もちろん、療養型病院でも急な処置をしなければならないことはありますが、頻度が少ないため、じっくりと患者さんと向き合い信頼関係を築くことができます。

そして、病状が慢性化し長期的に入院している患者さんだからこそ、自分の病気がこの先どう進行していくのか不安に感じ、そうした気持ちを聞いてほしいと思うこともあると思います。

そうした患者さんの話を聞いて、気持ちに寄り添いアドバイスをする、など精神面のケアに取り組むことができるのも、この療養型病院のやりがいです。

療養型病院における看護師のやりがいの2つ目は、介護的な側面を持つ業務に力を入れることができることです。

一般病棟では、日々の看護業務に加えて早急な処置を求められる事態が続くため、患者さんの介護的なケアは介護士の方に任せることになります。

しかし、療養型病院では、そうした介護的なケアが重要な業務の1つになりますので、しっかりと取り組むことができます。

おむつ替え、入浴介助をはじめ、褥瘡などの皮膚トラブルを防ぐためのケアを行ったり、寝たきりの患者さんの体圧分散を細目に行ったりするなど、患者さんのQOL（生活の質）に関わる細やかな部分だけれども重要な部分のケアをじっくりと行うことができます。

療養型病院における看護師のやりがいの3つ目は、じっくりと看護計画を立てて、患者さんのケアを行えることです。

患者さんとしっかりコミュニケーションを取り、介護的な側面を持つ業務で患者さんの細やかな部分までケアしているからこそ、その患者さんの今の状態に最適な看護計画を立てることができます。

また、意思疎通がうまくできない患者さんも少なくないため、看護師は患者さんのほんの少しの変化も見逃さないように注意を払っています。

そうした観察を行っていることにより、患者さんの些細な変化も察知して、より良い看護計画の内容へと還元することができるのです。

ここまで療養型病院で働く際の看護師のやりがいについてみてきました。療養型病院におけるやりがいはいくつもありますが、やはり一番は、じっくり一人一人の患者さんに合わせた看護をすることができる、ということだと思います。

就職先や転職先として療養型病院を選択肢の一つとして考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。