医者の働く場所にはどんなところがあるのでしょうか。
医師免許を取得すると、医者として、色々な職場で働くことができます。
しかし、一口に「医者」と言っても、医療機関、介護施設、研究医など、働き方は様々です。
そこで、医者が働く職場や仕事内容について、解説します。
医者が働く場所|医者が働く場所とは?
平成28年に、厚生労働省が報告している「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、日本で医師免許を取得している人数は、319,480人でした。
医者が働く場所の内訳を見てみると、以下のようになります。
医者の働いている場所 | 人数 |
---|---|
医療機関 | 304,759人 |
介護施設 | 3,346人 |
その他(研究医、産業医など) | 11,358人 |
医者の働く場所は、病院や診療所などの医療機関が多いです。
しかしながら、医者として、介護施設やその他の場所で働いている人もいます。
医師免許を取得した後は、医療機関に限らず、自分のやりたい分野や興味があることを考えながら、働く場所をさがすことが重要です。
医者が働く場所|医療機関で働く医者の仕事
医者が働く医療機関には、病院や診療所があります。
診療所とは、「入院施設のない医療施設、または19人以下の入院患者を受け入れることのできる設備がある施設」を指します。
医療機関での医者の仕事は、入院や通院している患者さんに、診察と治療を行うことです。
診察と治療への関わり方は、働いている診療科で、違いがあります。
医者が直接、精密検査や手術などに携わる診療科もあれば、診断と処方を出すことが、主な仕事になる診療科もあります。
いずれの場合も、医者には、患者さんに対する適切な診断と、他職種に対する的確な指示が、重要な仕事と言えるでしょう。
医者が働く場所|医療機関以外で、医者の働く場所とは?
医療機関以外で、医者の働く場所には、どういったところがあるのでしょうか?
まずは、介護老人保健施設があります。
介護老人保健施設とは、医療的なケアやリハビリを必要とする要介護状態の高齢者が、自宅復帰を目的に、一時的に利用する介護施設です。
日本では、医師免許を取得していると、介護老人保健施設で、医者として勤務したり、施設を開設・運営したりできます。
また、介護施設以外には、大学などの研究機関で、「研究医」として働いたり、企業と契約して、「産業医」として働いたりする方法があります。
しかしながら、医師免許の取得者数からすると、医療機関以外で働いている医者の人数が少なく、仕事の内容がイメージしにくいです。
そこで、次の項目からは、介護施設や研究医・産業医の仕事について、解説します。
医者が働く場所|介護老人保健施設での医者の仕事
介護老人保健施設(以下、老健)には、「施設の入所者100名につき、1名以上の常勤医師の配置が義務」づけられています。
老健での医者の仕事は、入所者の健康状態を把握すること、必要に応じて、他職種への療養や治療に対する指示を出すことです。
老健には、看護師、栄養士、介護士、理学療法士、作業療法士などの専門職が働いています。
老健の医者の仕事では、他職種と連携しながら、入所者が、自宅などに退所できるように、支援をすることも重要です。
医療機関に比べると、老健の入所者は、健康状態が安定しています。
そのため、老健の医者は、入所者の健康状態を把握しながら、健康上の問題の早期発見ができることが必要です。
医者が働く場所|研究医、産業医の仕事
臨床医
病院や診療所で、診療業務をしている医者は、「臨床医」と呼ばれます。
研究医
「臨床医」に対して、医学的な研究を行っている医者を「研究医」と呼びます。
「研究医」は、大学などの教育・研究機関が、勤務先で、病気の原因を研究したり、新たな治療法を研究したりすることが、主な仕事です。
産業医
企業で働く労働者の健康管理を行っている医者を「産業医」と呼びます。
実験やデータ収集を行い、学術誌や学会などで、研究成果を発表しています。
「産業医」は、契約した企業や産業医事務所が、勤務先です。
現在の日本では、労働者が50名以上の企業には、産業医と契約したり、専属の産業医を配置したりすることが義務づけられています。
うつ病などの不調にならないように、労働者の健康管理をすることが、「産業医」の仕事です。
医者が働く場所|医者として、どう働きたいか?
医師免許を取得すると、医者として、色々な場所で働くことができるようになります。
医者というと、医療機関で働くイメージが強いですが、医師免許を使うことで、介護施設、大学、企業などでも、働くことができるようになります。
働ける場所が多いからこそ、自分のやりたい分野や興味がある職場をよく考えておくことが重要です。