看護師の基本給と手取り額を解説

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看護師の基本給と手取り額はどのくらいなのでしょうか。

現在看護師の仕事をしている、或いは将来的に看護職に就こうと考えている方の中には看護師のお給料に興味があると言う方もいらっしゃると思います。

一般的に看護師の給与は、その激務から他の職業よりも高いと言われていますが実際の基本給や手取り額、各種手当などは地域や勤務する病院によって異なる為、現状は不透明になっています。

そこで今回は、看護師の実際のお給料やその他の手当はどのくらい支給されるのかなどを中心に、看護師の基本給と手取額について解説していきます。

看護師の基本給と手取り|基本給はどの位?

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看護師の給与は他の職業よりも高額だと一般的には思われがちですが、実際にはどの位の金額なのでしょうか。

基本的には勤務している病院の種類や地域によって金額が異なるために一概に言えることではありませんが、4年制の看護大学を卒業した1年目の看護師の基本給は18万円~20万円程度が平均だと言われています。

さらに勤続年数が増えることによって毎年3000円~8000円程度が基本給に上乗せされ、キャリアを重ねることで徐々に額が上がっていく職業ですが、基本給だけを見るとそれほど高収入な職業とは言えません。

さらにこの金額は「正看護師」という資格を持った看護師の平均基本給の額であり「准看護師」などの場合には、これらよりも基本給や給与の伸び率が若干低くなるのが一般的です。

また、最近では男性の看護師数も徐々に増えてきていますが男女の性別によって基本給に差が出ると言う事は基本的にありません。

看護師の基本給と手取り|基本給以外に多くの手当が付く

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看護師という職業は他の職業よりも基本給以外に多くの手当が付く仕事でもあり、基本給の低さを様々な手当でカバーする事によって手取り額が増えていきます。

その中でも代表的なのが「夜勤手当」という手当です。

これは、文字通り日勤の基本給に加えて人手の少ない夜に勤務を行った場合に発生する手当となっており、支給額は病院によってそれぞれ異なりますが3交代制の夜勤で1回3000円~5000円程度、2交代制の夜勤で1回10000円程度または給与額の25%が手当として支給されます。

そのため、給料の手取額を増やすには夜勤をこなす事が一番の近道とも言われており、夜勤を基本としたシフトを願い出る看護師も複数存在します。

また、救命病棟や精神科病棟など看護師のストレスや身体的負担の多い特殊病棟に配属された場合には「特殊業務手当」や「危険手当」が付き、月額12000円程度~30000円程が手当として支給されます。

さらに、勤務する病院によっては「資格手当」という手当もあり、具体的な支給額は定められていないものの正看護師の場合には30000円~80000円もの手当が支給される場合もあります。

この他にも休日勤務手当や救急呼出待機手当など様々な各種手当てが用意されており、これらの手当が適用される勤務を多くこなす事によって基本給と手取金額に大きな差が生まれる仕組みとなっています。

看護師の基本給と手取り|市立病院等の手取り額はどの位?

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ここからは各種類の病院に於ける看護師の平均的な給与の手取額などを紹介していきます。

まずは市立病院など、地方自治体が管理運営を行っている病院に勤務する看護師の平均的な手取額が以下のようになっています。

  • 4年制看護大学卒業1年目では22万円~25万円程度
  • 2年制や3年制の学校卒業者は20万円前後
  • 勤務年数が10年~15年程の3、40代の看護師においては約40万円前後

市立病院に勤務する看護師は地方公務員(準公務員扱い)として病院に勤務する事になりますが、公務員は一定以上の昇給を毎年必ず行わなければならないと法律で定められており、これらが要因となって基本給が高く手取り額も多くなると言う訳です。

さらに公務員扱いであることや地方自治体などが管理運営を行っているため、基本給が安定しており病院の経営状態によって給与金額が増減するなど不安定になると言う事はありません。

勤続年数などで基本給が上がっていくため仕事の能力が高くても劇的に手取り額を増やすという事はできない事が特徴です。

看護師の基本給と手取り|民間病院の手取り額はどの位?

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民間病院とは地方自治体が管理運営を行うのではなく、医療法人や個人が運営を行う病院のこと差します。

この民間病院に勤務する看護師の平均的な手取り額は以下のようになります。

  • 4年制看護大学卒業1年目では18万円~23万円程度
  • 2年制や3年制の学校卒業者は18万円前後
  • 勤務年数が10年~15年程の3、40代の看護師では約30万円~35前後

民間病院に勤務する看護師は市立病院の様に地方公務員扱いをされる事がなく、昇給も義務付けられていないため基本給の上昇が緩やかであることから、市立病院の看護師と比べると手取り額の平均はやや落ちる傾向にあります。

また、病院の経営状態によって基本給が増減する事もあり市立病院と比べると安定性に欠ける面もありますが、各種手当が市立病院などよりも充実していることが多く、能力に応じた手当や基本給が支払われると言う点では、市立病院勤務よりも手取りを増やせる場合があるという特徴があります。

看護師の基本給と手取り|勤続年数や専門知識で手取りを増やす

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看護師の給与は基本給に各種手当をプラスし税金分などを差し引いた金額が手取り額となりますが、夜勤や資格手当の他にも手取り額を増やすことができる以下のような手当が存在します。

「役職手当」

この手当は勤続年数が長く看護師長や看護主任など責任者や重要な役割を任される役職に就いたことによって支給される手当で、管理職手当職責手当と呼ばれることもあります。

この手当には、法律や条例等で明確な支給額と言うものが定められている訳ではなく、勤務する病院や施設によって金額が異なりますが一般的な病院の看護師長の場合には30000円~100000万円程度、看護主任の場合は5000円~30000円程度が役職手当として支給されます。

看護師長などの管理職に就くと、夜勤や時間外労働などが制限され手取り額が減ってしまう場合があるため、これを補填する名目で支給されることの多い手当となっています。

「専門看護手当」

この専門看護手当には2種類あり「専門看護師手当」と「認定看護師手当」に分類されそれぞれの資格保持者に対して支給される手当となっています。

特に認定看護師の資格は5年以上の看護実務を行い認定審査と呼ばれる試験に合格する事で約3000円~5000円程度の金額が支給される手当となっている為、スキルアップと専門知識の理解をさらに深めながら手取り額を増やすチャンスにもなります。

看護師の基本給と手取り|まとめ

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今回は、看護師の実際のお給料やその他の手当はどのくらい支給されるのかなどを中心に、看護師の基本給と手取額について解説してきました。

基本給は決して高い訳ではありませんが、その分を夜勤手当や資格手当などの各種手当で補填し手取り額を増やしていることが分かります。

そのため、基本給が低いからと言って悲観することは無く、各種手当を上手く使う事で収入をアップさせる事がポイントとなるようです。

また、市立病院など地方公務員として働く場合には勤続年数等で安定した収入が、民間病院の場合には能力や資格が評価され手取り額を増やすことも可能ですので、自分の生活スタイルやキャリアに応じて職場を選ぶ事も大切な事と言えます。